続いては前日に引き続き、アルコールと乳酸の関係性です❗(時系列のため前回ブログをご覧ください)
以前にもお話した通り、乳酸は疲労物質でありながらもエネルギーに変換できるものです。
ただ余りにも血中乳酸濃度が高かったり、筋肉内に溜まり分解できなければ疲労物質として蓄積していきます。
身体を動かす細胞にはエネルギー源のATP(アデノシン3リン酸)が蓄えられています。そのエネルギー源(ATP)がADP(アデノシン2リン酸)に分解されるときにエネルギーとして放出されます。それにより身体を動かせているわけです。
そのエネルギー機構には
①ATP-CP系 ATP+クレアチリン酸(無酸素運動)速筋繊維
②解糖系 ピルビン酸(酸素なし)→乳酸(無酸素運動)速筋繊維
③有酸素系 ピルビン酸(酸素あり)→アセチルCoA→TCA回路・グレブス回路・電子伝達系(有酸素運動)遅筋繊維
3種類に識別されます。主に乳酸が生成されるのは、今回説明する無酸素運動の ②解糖系 になります。
我々の筋肉で使われるエネルギー(ATP)のうち、このほとんどがこの解糖系で作られたエネルギー(ATP)を利用しています。
解糖系を簡単に説明すると、我々の摂取したもしくは筋肉・肝臓内にあるグリコーゲン→グルコース→ピルビン酸に変換され、酸素がない状態であれば乳酸脱水素酵素(M型)により乳酸を発生します。つまり、その時点のピルビン酸を解糖系のエネルギーに使います。
反対に、ピルビン酸が生成された時点で酸素があれば、ピルビン酸がアセチルCoAに変換され、ミトコンドリアに入り、クエン酸回路からTCA回路に進みます。これを有酸素系といいます。
解糖系で発生した乳酸が血中・筋肉内で蓄積すると、ATP合成や筋収縮(フィラメント滑走説)のバランスを崩してしまうため、乳酸が疲労物質とされています。
しかし、酸素があるなど乳酸に好意的な条件が揃うと、乳酸は再びピルビン酸(乳酸脱水素酵素(H型)により)に変換され、TCA回路と進みます。
また同じく、残存された血中乳酸も肝臓で代謝され、再び血液中に乗り、各細胞・器官で再びピルビン酸に変換され、TCA回路と進み有酸素系のエネルギーとして利用されます。
つまりは無酸素運動(速筋繊維)瞬発系で発生した乳酸を再び有酸素系(遅筋繊維)全身持久力系でエネルギーとして利用できるということです。
今回のアルコールを飲んでいる場合の運動(スポーツ)という表題について、
以前お話した通り、肝臓は解毒に大忙しです。
肝臓は解毒する際、大量のグリコーゲンを代謝します。
即ち、肝臓内のグリコーゲンはスッカラカンな状態…。
この状態で瞬発力系スポーツをしたとします。
筋グリコーゲンは利用できても、肝グリコーゲンは品切れ状態。
更に肝グリコーゲンから筋グリコーゲンの補充が出来なくなります。
つまり瞬発力は生み出せません。
飲酒はアンモニアを発生させます。(肝臓機能の状態によります)
そうなると血液中ph値が酸性化します。(本来血液ph弱アルカリ性)
プリン体を多く含む物であれば、更に尿酸を生成させて酸性化は加速します。
アルコールは体温を下げます。血管を収縮させ循環を悪くします。
そうなれば血液状態ないし循環不良、パフォーマンスは発揮できませんし、筋肉内に栄養分を届けることも出来ません。
これらを踏まえ、大忙しな肝臓が乳酸をエネルギーに変換できるはずもありません。
言えばまだまだありますが、この位で…。
もしかすれば大会前の飲酒は突然死の原因となっていると推測されます。よくありますよね、大会前日パーティーのお酒(被検者のあらゆる条件が重なってのこと)
このようなことから、飲酒後はパフォーマンスを最大限発揮できませんし、リスクが増えます。
飲酒した時の運動は気を付けてくださいね💡
色気ソムリエ 代表
法貴 博光(Hiromitsu Hoki)