そもそも筋肉痛とは何でしょうか?
筋肉痛とは筋トレが原因と思われる方がいると思いますが、トレーニングでの筋繊維破壊が痛みの直接的原因というわけではありません。
何点かご紹介します。
まず1つ目は、疲労物質蓄積による痛み。
ハードな無酸素運動など行えば行うほど、筋肉中には乳酸等の疲労物質が溜まってくることが分かっています。この蓄積した疲労物質が刺激となり筋肉痛(遅発性筋肉痛)発生の原因の一つになります。
2つ目は、細胞の破壊と修復により発生する痛み。
筋繊維とその周辺にある組織(筋膜・筋内膜・筋周膜)が破壊され、かつ修復時に発生する生理活性物質(プロスタグランやロイトコリエンなど)が感覚神経(受容器)に刺激を与えて筋肉痛を感じます。プロスタグランジやロイトコリエンは痛みを増強させ血管を一時的に収縮し拡張させます。この時に間質液の漏出がおこり熱感や腫脹が出現、この過程で細胞修復によるプスタグランジンとブラジキニンにより痛みは増強されます。以下省略。
疲労物質は運動直後に最も増加していますから、運動直後に起こる筋肉痛(即時性筋肉痛)は主にこれが原因です。
筋繊維に十分な栄養と循環が確保出来ないと疲労物質が蓄積したままとなり、即時性筋肉痛の回復が遅くなるとも考えられます。
つまり、筋繊維の炎症と修復により発生する筋肉痛(即時生性筋肉痛)、疲労物質蓄積により発生する筋肉痛(遅発性筋肉痛)が原因であるというのが有力です。
実はもう1つあります。
その原因は筋トレではなく、伸縮性のない筋肉の質。即ち柔軟性にあります。
多くの筋肉を見てきましたが、筋肉が硬い状態でダイナミック(動的)な動きを行っている方です。伸縮性の少ない筋肉が筋紡錘により伸張反射が行われれば、筋肉は避けてしまいます。その結果、出血や生理活性物質により痛みを伴います。
この場合、全く筋トレしていない方でも筋肉痛は起こります。つまり、ストレッチや少し運動をするだけで発生してしまうのです。
これらを纏めると、筋肉が堅く栄養・酸素不足の方ほど筋肉痛は著明に現れるということです。
また、高齢であれば筋肉の分解・修復(回復)に時間が掛かり、疼痛・炎症が続くので、筋肉痛が治りにくいと考えます。栄養学的な意見も含めると、筋肉内のミネラル・水分不足も要因です。
以上、様々な要因の一部でした。
色気ソムリエ 代表 兼 色気のある日本を作ろう会 会長
法貴 博光(Hiromitsu Hoki)