『足底腱膜炎』
歩くときや走るときに土踏まずが痛む原因~
当然調べたら沢山載っています。
でも、調べたが医科学的に深く載っていない…。
整形外科に行っても『筋肉の炎症です。スジを痛めてます。』など、
ちゃんとした答えや原因を得られない方が大多数なのではないでしょうか?
私の場合、そこから更に深く落とし込んで追求していきます。
医療機関よりも更に詳しい内容です。
原因は、
・ハイアーチ
・偏平足
などと言われていますが、根本的な原因は他にあります。
では一つずつ紐解いていきます。
《今回はより専門的に記載しますがご了承ください⚠》
正常な場合は縦アーチが足底のアーチを正しく形成し着地の衝撃を吸収しています。ハイアーチの場合は足底のアーチが高すぎるために着地時にストレスを受けやすい。偏平足の場合は足の形がフラットで着地時に衝撃を吸収しにくい。ハイアーチも偏平足も『正しく使えていない』ということになります。
ハイアーチ=使いすぎ。偏平足=使えていない。ということも原因の一つといえますが、ともに『正しく使えていない』ということが原因の1つと考えられます。
足底腱膜(縦アーチ)は踵骨から第1~5MP関節(中足骨頭)に付着。 この縦アーチをサポートしているのが『母趾外転筋』『短趾屈筋』です。
母趾外転筋は踵骨隆起の内側部~足底腱膜を介して母趾基節骨底の内側に付着(母趾のMP関節の屈曲・外転)
短趾屈筋は踵骨隆起の下面(かかと)から足底腱膜を介して第2~5基節骨底に付着(第2~5趾のPIP・MP関節の屈曲)
この筋肉が隠れて縦アーチをサポートしています。
つまりこの筋肉が正しく機能していないとハイアーチにも偏平足にもなりやすいです。ハイアーチの場合、上記2つの筋肉が短縮(コンセントリック)したまま硬くなっています。筋肉が短く強く引っ張るために踵骨に痛みを感じ、更に骨膜を引っ張り刺激を受けることで骨棘を形成する原因になります。これを『踵骨棘障害』といい、この棘(トゲ)が筋肉や筋膜を刺激して痛みを感じる場合があります。よく整形外科で踵骨棘障害と診断される場合がありますが、根本的な原因はハイアーチによる足底腱膜炎によるものが多いです。その原因を深く追求すると、母趾外転筋や短趾屈筋などの足底筋群の機能障害、つまりは足底筋を酷使しすぎているということが考えられます。
偏平足の場合、上記2つの足底筋群を上手く使えていない点です。普段から使えていないので縦アーチの形成がなくなりテンションが低下します。衝撃を吸収しにくくなるので足底筋群を含めた足底腱膜にも負担がかかり機能不全。そうなると足底腱膜炎に移行し易くなります。
原因はまだあります。
母趾を含めた筋群を動員できていないという点です。この場合も様々なアライメントから判断して根本的な原因を探しますが、元をたどれば母趾筋群である『母趾内転筋』や『短母趾屈筋』も第1原因の1つです。
母趾内転筋は立方骨・外側楔状骨・第2~3中足骨から母趾基節骨底の外側に付着(母趾の内転筋)
短母趾屈筋は立方骨・外側楔状骨から骨趾基節骨底の両側に付着(母趾のMP関節の屈曲)
これらは母趾外転筋などの足底筋群と相互機能した関係で、母趾の安定筋として機能しています。つまりは機能していないと母趾の安定がはかれず、距腿関節の底屈、距骨下関節の外反・から回内位を起こしてしまいます。そうなると母趾筋群の機能不全、アライメント上内側に負担がかかってしまうことになるため偏平足に移行し易い要因になります。また大腿脛骨関節からのアライメント不全も今回の原因になります。
そして母趾内転筋は『長足底靱帯』と関係しています。
長足底靱帯は足底腱膜の内部、踵骨隆起下面から第2~5中足骨底に付着します。この靱帯は縁の下の力持ち的な存在でリスフラン関節(中足趾節関節)の安定性や母趾内転筋の補助的役割を担っています。偏平足やハイアーチはこのバランスを崩してしまい関節の安定性・足底腱膜の安定性を損ない、様々な筋群(フォースカップルの関係)の機能障害を起こします。
また後脛骨筋は下腿骨間膜後面・腓骨脛骨後面から立方骨・全楔状骨・第2~4中足骨底に付着する関係上、母趾内転筋や長足底靱帯の張力に影響を及ぼし筋膜から足底筋群の機能障害を起こします。
その他にも前脛骨筋や長腓骨筋、長趾屈筋や長母趾屈筋から短母趾屈筋・伸筋を含めた足底筋群へと関係していきます。長母趾屈筋はIP関節屈曲が主に動員されますが、短母趾屈筋はMP関節屈曲に動員されます。どれも同じではなく、安定筋・協動筋などフォースカップルの関係が成立するからこそ機能します。
つまりは下腿筋群から足底筋群の筋連鎖がとても重要になります。ですからどれか一方を治療したとしても完治するとはいえないのです。隠された原因は下腿筋群もしくは筋膜や腹部からの場合もあります。
要因として、
・靴のサイズが合っていない
力の伝達が上手くいかないので足底筋群の機能障害に繋がる。内反・外反が起こりやすく靱帯を痛めやすく、伸筋群と屈筋群のアンバランスを生じてしまいます。
・靴の普及
昔の日本人は普段から裸足で歩いていました。今は靴で歩くことが多く、アーチを気にすることが少ないです。昔の人は裸足である程度の負荷をかけていたので足底筋膜や足底筋群を上手く使えていたのでしょう。必ずしもクッション性が高い靴が良いとは限らないのです。
・生活習慣
日常的なことから仕事内容や生活習慣病まで様々です。(栄養学・循環器内科的な説明は今回省略)
など慢性的な積み重ねが原因となります。
ランナーやトライアスロンなどは慢性的な疲労が溜まりやすいのでケアが必要ですし、フォームに原因がある場合もあります。
足底腱膜炎にならないためにも、足趾の筋肉を上手く使うこと(タオルギャザーやチューブトレーニングなど)そして、ストレッチや温めることも大切です。
今回は足底筋群のみにピックアップしてお話ししました。(骨格アライメントや下腿筋群などの筋肉を含めると原因は様々な角度から説明できますが今回は省略)
長文になりました。拝読ありがとうございました!🙇
色気ソムリエ 代表 兼 色気のある日本を作ろう会 会長
法貴 博光(Hiromitsu Hoki)