乳酸の代謝【本質】

内容が少々専門的ですがご了承ください🙇

 

今回は疲労物質といわれる乳酸についてです。

 

乳酸は疲労の原因といわれていましたが、近年は疲労物質に変わりはありませんが乳酸を効率よくエネルギーに変換できることが分かっています。

しかしながら血中乳酸濃度が高値だとスポーツパフォーマンスに影響するものといえます。

 

さて、その乳酸ですが運動によって必ずというほど発生しますが、有酸素運動より無酸素運動によって発生し易いことは皆さんもご存知だと思います。

 

詳しくみていくと、ホスファゲン機構(無酸素性機構)は高強度の身体活動のためのATP合成で必要な供給源であり、強度に関わらず全ての運動開始時に動員される。ホスファゲン機構も解糖系も無酸素系機構に属し、強度が高くなれば当然、最終代謝産物の乳酸塩ができ、乳酸へと変換される。(ATP-CP系は乳酸を発生しない)

つまりは解糖系のミドルパワーでの運動が乳酸生産を促進します。

 

一般的に『無酸素運動では乳酸が蓄積するので苦しくなる』のに対し、私は『無酸素運動では乳酸を代謝出来にくい場合があるので苦しくなる』という観点に着目する。

 

無酸素系を主要とする速筋繊維(typeⅡb・FT繊維)はミオグロビン量も少なく、酸素不足に陥りやすく、遅筋繊維(typeⅠ・ST繊維)はミオグロビン量が多く、有酸素系機構に属している。身体を構成する部分別の筋肉量で速筋繊維が多ければスプリントが得意といえ、遅筋繊維が多ければ長距離に向いているといえ、乳酸を発生し難いといえるのが一般的である。それは何故だろうか?というのが、ミオグロビン量が豊富であるということは、筋肉中に酸素を営み、ミオグロビンないし遅筋繊維にはミトコンドリアが豊富であるからである。それ以上に心筋や肝臓にミトコンドリアは豊富である。以下略…

 

・ミオグロビンやミトコンドリアが不足していれば当然、筋肉内の酸素供給能力、すなわち組織拡散容量のレベルによる。その結果、乳酸が蓄積しやすくなると考えられる。速筋繊維にもミオグロビンは少なからず存在する。

・ミオグロビンも大切だが、それ以上に水分量・血流が確保できているか。乳酸を運ぶためにも循環器系の確保が大切である。

・筋肉が萎縮・癒着していないか。筋肉が萎縮・癒着していると十分な酸素・栄養を供給できない。筋肉中で発生した乳酸も除去できなくなる。つまりは筋肉の質によるもの。

・血液(血漿成分・血球成分)データ。ヘモグロビンや赤血球の状態が不良であれば、筋肉や細胞の酸素供給が十分にならない。その結果、乳酸などの物質を代謝できない。当然、有酸素系機構の能力は低下する。

などが考えられる。

 

上記は乳酸が疲労物質とみなしての見解である。

乳酸は本来、肝臓で代謝されてグルコースに変換され再利用される。しかし、乳酸を運搬するための血流が確保できていなかったり、筋肉に問題があると、乳酸を代謝することが難しいのではと考える。肝臓の機能に障害があれば乳酸は正しく代謝されるのかというのも問題である。

蓄積する代謝産物は乳酸の他にも、水素イオン(H+)、二酸化炭素、無機リン酸、アンモニアがある。これらは筋疲労を起こす潜在的原因として研究されてきた。

乳酸が正しく代謝されても、他の代謝産物を代謝できなくては、完全に筋疲労を無くす事はできない。すなわち、疲労物質の乳酸が除去できていても、他の疲労物質が除去できていないと本当の意味で疲労回復は遅れてしまう。

ここで大切なのは、乳酸とアンモニアを代謝するのはミトコンドリアの豊富な肝臓である。アンモニアは身体にとって有害物質であるため、尿素回路で尿素に変換される。タンパク質はエネルギーとして使われた際、代謝産物としてアンモニアが生じる。そのアンモニアを無毒化する際には尿素窒素ができる。また腸管内でも蛋白質を代謝する際にアンモニアを発生させる。肝臓の機能があるからこそ無毒化されるのである。

 

では肝臓の機能に障害があると?

(運動前に肝臓に負担をかけると?アルコールなど)

 

蛋白質を分解していると?

 

腸内環境が悪いと?

 

血液・血流が悪いと?腎臓が悪いと?

 

(上記4つがどうなるかはまた次の機会に…)

つまりは乳酸を含めたアンモニアなどの代謝産物は分解され難い。そうなるとpHは低下(酸性)に傾くので、筋疲労の回復の妨げになる。

 

骨格筋や内臓の他、Hb(ヘモグロビン)、Ht(ヘマトクリット)、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)、Fe(血清鉄)、フェリチン(貯蔵鉄)、肝機能データ、腎機能データの状態も基準値であるかどうかも指標になるのではないだろうか。

 

筋疲労の問題は骨格筋の他に内臓を含めて考えていかなければならないともいえる。

 

まだまだこれらの話は身体全てに繋がっていきますが、ここまで。

 

スポーツ前や疲れた時は、アルコールは避けましょうね😊

色気ソムリエ パーソナルトレーナー

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